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2016年 06月 01日
2016/06/01
 日記: Vishay Z201の・・・。

  この数週間、抵抗の音質をいろいろ試しておりました。

   ビィシィーのZ201の音質が良いのは以前分かっていたので、これで
  アンプを組むと、どの程度音質が改善され、それがどんな効果をもたらすか
  知りたかったのです。
    
    Z201の資料はココです。

        http://www.vishaypg.com/docs/63187/zseries.pdf


   Z201は10Ωから100KΩまでの数値が入手できます。容量は0.6Wと云う事です。
  動作温度が70度を超すと0.3W以内となります。耐圧は300Vです。
  この条件をカバーする手持ちのアンプは6V6ppULと云う事になります。このアンプの
  音質は以前にもお話しましたが、かなり色付のないシンプルなモノです。
  前段は12AY7のSRPPで、上下の負荷抵抗は3.9kΩ。反転段は12AT7パラのPK分割で
  此方は47KΩずつです。以前はデールの無誘導巻線抵抗を総て使用していましたが、
  ここを総てZ201に交換しました。また、入力側のNFもVARの100Ωにしています。
   差動のEL34ppなどもやりたいのですが、プレート負荷値が高く、DCバランス検出用の
  4.7ΩもZ201に無いのでこれは無理と思いました。回路全体のインピーダンスが低い
  方が宜しいわけです。6V6ULppの方が超高域の周波数特性が良好ですし。

   最初、試しにSRPPの上側のカソードの負荷のみをZ201にしたのですが、かなり効果が
  ありました。それを確かめてから残りを交換してみました。交換した所で一応、1W時の
  再生周波数特性を再度取ってみましたが、全く変化はありませんでした。

   
   さて総て交換しての効果の内容てすが・・・・。

    先ず、雑音のレベルが一段と低くなりました。これにより音場見晴がより良く出てきました。
   全体に静かな音場です。
   周波数特性的には変化はあまり感じられません。幾分低音が少なくなったのですが、これは
   低音の音圧の低下ではなく、低音の音色の明確化により持たらせられた様に聴こえます。
   所謂、ボンつきが無くなって、しっかりした楽器の音色になっています。オケなどですと
   コントラバスの動きがしっかり把握出来る様になりました。床にズー・ドンと来ます。
   また、中音域では、管楽器の音色と響きが細やかに再生されてきます。ピアノのタッチの
   再生も微妙な所がより出てきます。
    ヴァイオリンのパートなど、今まで何処か掴みがたい所があったのですが、それが
   無くなり、パートが強調される事もなくなりました。かなり実演の感じに近くなって
   います。それにより弦のパート間のハーモニーが美しく正確に響いてきます。
   ヴァイオリンパートの倍音が雲の様に浮かんで響く音なども再生されています。
    改善の幅はとても大きく実際驚いてしまいました。曲を聴いていて音質に疑問を
   感じる事が無くなってしまいました。CDの音質がとても高品質なのも再認識、
   いわんやSACDの音は凄まじくその場に居る様です。また不出来な録音のモノも其れなりに
   実演を感じさせます。SACDの室内楽など、この部屋で演奏している響きがします。
    また、音量を大きく上げても五月蠅い音がしません。音像も動きません。これは
   かえって耳に生理的な危険があるかも知れませんね。

  
   それにしても、抵抗を代えるだけでこう音質が変わるとは・・・・! 熱雑音以外の何かが
  くっついて出てくる様です、Z201以外の抵抗はそれを強く聴き取れます。回路云々するなら
  使う抵抗をZ201に決めてからでないと、良く変化が解からないのではと思いました。
  しかしZ201は高価すぎますね。 


   数十時間慣らし運転した所で、暑い日が続きもしましたので夏用の12BH7Appアンプをラインに
  交換投入しました。これは小出力ながら良い音質、味付けも少なく聴きやすいアンプですが
  交換した時はかなり鈍い音色である事が判りました。今まではそんな感じはしなかったのですが
  比べるとてきめんです。周波数特性的にはそれ程の違いはありません。しいて言うなら低音が
  少し厚く出ているようです。ただ質の深みと云う点ではかなりの差があるのです。
  イージーリスニングには問題無いのですが、演奏者の表現を聴きとりたいとなると不足を感じ
  ます。ヴァイオリンなら、ビィブラートの違い、ポルタメントの動きの差、弓の当たりの場所
  など真剣に聴き取る時などです。
  こう云う時は頭を動かさない様にし呼吸も止めて聴いています。が、しかしかなり異常な
  鑑賞態度かも知れませんね。

   それにコストを考えると・・・・、問題ですね。


     今夜の一曲。

      Clara Haskil - Beethoven Concerto No. 4 in G major Op. 58

       

  



 
    

by Artist-mi | 2016-06-01 16:31 | 6v6ULppアンプ | Comments(4)
Commented by CLAD at 2016-06-07 18:29 x
こんばんは。
全て交換されたのですか!
やってみたいとは思うものの、抵抗値をいろいろ揃えていると費用的にバカにならないので、
一旦普通の抵抗で組んでから、効きそうなところを置き換えていくのが、私にとっては現実的ですね…。
Commented by Artist-mi at 2016-06-07 22:21
CLADさん、こんばんは。梅雨に突入となりましたね。

  全てではなく、可能な箇所となっています。出力段のカソード抵抗などは
 デールのまゝです。ココも変えたいのですが、大きいのが無いようです。
 この回路は使用抵抗数が少なくなる様にしています。

  Z201の仕様をみると凄い性能で驚きました。今まで探しだせていなかったので。
 普通の抵抗と比べると本当に高仕様なのですが、其れらが如何関係するのか・・?

  モニター的な音ですが、低音の締りが大分普通の抵抗とは違って改善できますよ。
 特にウィーン・アコースティックのSPには向いていると思います。
 VRを上げ過ぎるきらいはありますので、耳には注意しないとなりません。かなり
 ハィ・エンドの音に変身しました。

  CLADさんの回路ですと、R2の100 R5.6の10K あたりが最初に試す所でしょうか。

 

Commented by CLAD at 2016-06-10 15:30 x
おお、ご助言ありがとうございます。
さっそく試して…といいたいところですが、実はこのメインアンプが不調で、しばらく休ませています。
右Chだけ歪んでしまうのです。早く調べたいのですが、引っ越し以来その環境が整わず。
月末くらいには、半田ごてに灯を入れられるかな、というところです…。
Commented by Artist-mi at 2016-06-10 18:02
CLADさん、こんにちは。

  夏場のハンダ作業はたいへんですね。今夏は暑いそうですよ。
 お早い再開をお祈りいたします。

  この抵抗の特質はやはり材質なのかなと思っています。ただ小生に
 解かる訳もなく・・・・、 第一ノイズの測定も凄く困難なレベルで
 本職の領域ですね。動的な特性と静的な特性なども比較したいですが
 まぁー無理なんでしょうね。

 ウィーンの低弦がかなり改善できました。

  


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