日記:
モーツァルトのピアノ協奏曲第25番のCDを聴きました。パァウル・バズゥラ・スコダのピアノ
ホルスト・シュタィン、ウィーン・フィル 1978録音です。
この曲は初めて聴いたのですが・・・・、何か変な曲ですね。表現としてはまとまりが無い所が
私には聴こえます。モーツァルトさん御免なさい。
こんな感想は私だけかも知れませんね。天才相手に恐れ多いのですが!
この曲は初演の前日に完成されていて、ピアノのパートは完全に自筆が残っているのだそうです。
オケの譜面は部分的にしか無いような・・・。初演は何かの記念コンサートらしく忙しい仕事で
あったようです。K503でK504は「プラハ」交響曲ですね。オケも大きい構成でファゴットや
トランペット、ホルン、なども2本、ティンパニーもあります。とても気張った曲で一楽章はハ長調
アレグロ・マエストーソで始まります。オープニングは堂々とした第一主題で始まるのですが
何か脈絡が弱い短調の木管がはいり、また第一主題に戻って力強く響いたりしますが主張としては
薄い様に思えるのです。第一主題其の物が序奏的過ぎるようにも思えますね。次に短調のテーマが
表われ、展開部では第一、第二主題ではなくこの短調のテーマが何回も転調されてから再現部に
入ってしまいました。この展開部は緊張感に満ちて気に入りました。そして再現部で第一、第二、
短調のテーマが長調で再現されています。この辺はなかなか良く出来ていると思いました。
しかし、凝りすぎにも思えます。
各テーマは堂々と鳴り響き、カデンツァになります。カデンツァはモーツァルトは作っていません。
奏者に任されています。コーダは堂々としたいなら、少しあっさりし過ぎではないかな?
各テーマの曲想がバラバラのような感じが私にはしてしまうのです・・・。このテーマ自体を
用いたのが上手く曲想がまとまらない原因に思えるのですが。短調のテーマは何処かの国歌風。
モーツァルトさんはとても忙しかったのでしょうね、寝不足気味だったかも知れません。他の
作品と掛け持ちして作っていたでしょうし、注文主が派手な曲を望んでいたのかも。自身で演奏し
指揮もし、オケの練習も期待できなかったでしょうから、難しく微妙な事も出来なかったかも
しれませんね。ちょっと才能を浪費させられたかも知れません、可哀想にも思えます。協奏曲と
云うより交響協奏曲にも聴こえるので新しい事をやって見たかったのかも。
こういう曲を演奏となれば指揮者の力は特に重要に思えるのですが、シュタインさんはちょっと
ウィーン.フィルに頼った感じで、どうでしょうね。スコダさんにはお気のどく。ピアニストは
澄んだ感じで正統派、気にいっています。
Mozart: Piano Concerto No. 25 in C major, K503 (Paul Lewis Piano, BBC Proms 2013)
この演奏の方が良くまとまっていると聴きました。