58. 額縁のお話。
今回は出品用ですので、主催者側より仮額を付けるようにと言う事です。
展覧会では展示数も多く、仮に会場の倉庫に並べて入れるなどするため、
画面を保護する額縁は必要です。何しろ表面が紙ですので、注意が
必要でしょう。この時は、油彩とは別の所に置いて貰いました。又、通常
ガラスなどの使用もトラブルを大きくしてしまうので使いません。
展示にはまだまだ改善すべき所が多々ありますが、業者は自覚していない
ようで困った事ですし、主催者も考えを変えなければなりません。
仮額には市販のモノが色々ありますが、アルミなどは他の作品にキズつけ
やすく好みません。今回はサイズが不定形ですので自作しました。額縁は
作品と一体化させる様にしなけれは効果が出ません。
本来額縁は建物、室内のデザインとマッチし、しかも作品を際だたせる様に
するものです。
さかのぼれば、ギリシャ、ローマ時代からあるモノで、遺跡の壁画も縁取られて
います。17~18世紀の欧州では、それぞれの建築様式にそったモノが作られ、
使用されました。
例えば、日本間にロココ様式の額縁、印象派風の絵ではまったく可笑しい
ものですが、現実には良く出会います。
昨今は、額縁を使用しない展示もありますが、現代の室内空間が装飾を
極端に少なくしているのと同じ理由です。
結局、デザインがある意味で合っていることが必要な訳です。作者のセンス
が問われる所ですが、最終的には作品が映えることが一番重要な事です。