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2009年 01月 29日
754.2009/01/29
 装飾性の話し:

  80年代、90年代の日本の抽象絵画の装飾性について考えてみました。
 概して、今から見ると装飾美術に引っ張られていないと私にはみえます。
 むしろ反エントロピーの構成に向かって構成化されたと言って良いかも
 知れません。それ以前はステラの影響か、その反エントロピーは構成化
 よりも、希薄で空虚な空間表現へと傾いていたのではないかと思えます。
 しかし、日本の80・90年代ではその反エントロピー化が上手く構成化さ
 れて行く方向で、より効果を上げるのに成功している様に思えるのです。
 日本人には、装飾により問題を突き詰める事は上手く折り合える感性が
 高いと私は見ました。ミニマリズムの還元化でなく、或る「図」を作っ
 ていく過程で反エントロピーを可能にする事が出来て来ると思えます。
 この「図」は別の言い方をすれば、ある装飾ともなりましょう。
 その点では、結構日本の絵は良い状況になったと言えましょう。
 私が構成に使う「線」は他ならぬ「図」としての「線」と言うべきモノ
 であると思っています。その意味では70年代のドゥローイングの線とは
 かなり違ってきていると実感として考えています。
 2000年以降は余りに近くまだ良く総括できませんが、PCの進出で新た
 な発展が広がって来ていると実感しています。より基本的な問題を再試行
 するチャンスが到来したと言えるのでしょう、皆さん頑張りましょう。

                今日のデジタルタブローの練習は↓です。
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by artist-mi | 2009-01-29 20:20 | Comments(2)
Commented by vimalakirti at 2009-01-29 23:08
artist-miさま、こんばんは。
難しいことは分かりませんが、この作品はまるでバラの花びらのようですね。
とても繊細ですね~。
Commented by artist-mi at 2009-01-30 18:56
vimalakirti さん、こんにちは。

 すみません、この話しはかなり専門的で、実際描かれた絵を多く鑑賞
 しいないと、話しの内容が全く解らないのですが、一応自分の態度を
 表明しておく事も必要と思い時々こんな話しをしています。
 現代の抽象絵画のファンの方は何のことかすぐにピ~ンと来るはずです。
 その分野の絵の先端では何が考えられているか少し推察して下さい。
 制作の現場の意識的方向もご理解頂けると思えます。

 この絵は線を重ね、徐々に上下に開いています。丸いのは範囲を特定
 させているわけです。言うは簡単ですが絵に成るかは難しいです。


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