装飾性の話し:
80年代、90年代の日本の抽象絵画の装飾性について考えてみました。
概して、今から見ると装飾美術に引っ張られていないと私にはみえます。
むしろ反エントロピーの構成に向かって構成化されたと言って良いかも
知れません。それ以前はステラの影響か、その反エントロピーは構成化
よりも、希薄で空虚な空間表現へと傾いていたのではないかと思えます。
しかし、日本の80・90年代ではその反エントロピー化が上手く構成化さ
れて行く方向で、より効果を上げるのに成功している様に思えるのです。
日本人には、装飾により問題を突き詰める事は上手く折り合える感性が
高いと私は見ました。ミニマリズムの還元化でなく、或る「図」を作っ
ていく過程で反エントロピーを可能にする事が出来て来ると思えます。
この「図」は別の言い方をすれば、ある装飾ともなりましょう。
その点では、結構日本の絵は良い状況になったと言えましょう。
私が構成に使う「線」は他ならぬ「図」としての「線」と言うべきモノ
であると思っています。その意味では70年代のドゥローイングの線とは
かなり違ってきていると実感として考えています。
2000年以降は余りに近くまだ良く総括できませんが、PCの進出で新た
な発展が広がって来ていると実感しています。より基本的な問題を再試行
するチャンスが到来したと言えるのでしょう、皆さん頑張りましょう。
今日のデジタルタブローの練習は↓です。