日記:
東風が冷たい一日で、寒く体調が良くありません、夕方より
CDやLPを聴いて過ごしておりました。
久しぶりで、シューマンのヴィオリン・ソナタ 第2番 を
聴いてみました、7~8年ぶりでしょうか。渋い曲で人気など
ありません。
晩年のシューマンのこの曲は必ずしも出来の良い曲ではありま
せん、むしろ失敗作と思えます。シューマン自身、この時期から
精神的にたいへん不調であった様で、曲想が交錯してしまい、
明快さを欠いていて、エネルギーだけが充満し、深い幻想性と
発想のエネルギーに振り回されて、はたして何処へ行くのやら
分かり難い曲です。これをどのように弾くか演奏者の力が試さ
れる難曲です。聴いた奏者は以下です。
ジョルジュ・エネスコ、 リシェ 1952
クリスチャン・フェラス、バルビゼ 1970年代
ユーディー・メニューイン、ヘヒィッバー・M
1934
ギドン・クレーメル 1980年代
一番、心が動いたのはメニューインの演奏でした。
この曲がパヒヨンやクライスレリアーナの作者だと云う事を
はっきり思い出させてくれました。真正面から直接的に弾かれ
ている曲想は作者の意図の良い所を最大に伝えてくれます。
こんな名曲になるとは思いませんでした。
三楽章のピッチカートと重奏部もとても美しく、とくに
ピッチカートはハープの様に響いています。
エネスコのピッチカートもとても豊かで美しかったですが、
少々お年でボーイングの衰えが目立ちます、とても残念。
精神性は一番高いと思えるのですが。フェラスも良く整理し
曲想を組み立てていて、音色的にも合っていますが、スケール
が少しだけ小さい様に思えました。ここぞと云う所で手綱を
引き締めています、悪くはないのですが、メニューインの
怖いモノ知らずの前では、目立ってしまいます。
それにしてもメニューインは若い時は、凄い才能が有ったの
だと再度納得させられました。
今日の練習は↓です、曲想の影が出てしまって!