日記:
宇野浩二の「思い川」のあと、「軍艦行進曲」「続軍艦行進曲」を読んでみました。
軍港行進曲(1927年)
1916年(大正5年)に浩二が伊沢きみ子と出会ってから、きみ子の足抜けの手伝いや
彼女との別れ、そして1919年(大正8年)にきみ子が自殺するまでを描いている。
きみ子が芸者に身売りした横須賀が主な舞台で、当時軍港だった横須賀の情景やそこで
出会う海軍軍人との交流が印象的である。(ウィキぺディアより)。
気になるのはやはり時代の差を痛切に感じる。主人公の彼女にたいする態度が今の
時代からすると、あまりにも身勝手に思える。戦前だからそんな世の中だったのは
想像がつくが狡い感じがして不快な所がある。思えば悲しい時代であったのだ。
そこに作者、宇野浩二の「照れ」も滲んでいて何とも悲しくみじめな感じがする。
この惨め感は子供の頃、かなり日常にあったのを思いだした。
文章の構造はなかなか対比があって素晴らしい。終わり方が突然来て見事で、余韻が
上手く残る。言葉の扱いも丁寧で美しくもある。
宇野浩二「でたらめ経」松尾智昭の語り芝居
久しぶりのデジタルタブローの練習を上げます。題を付ければ「夜間飛行」。